ヒト乳頭腫(にゅうとうしゅ)ウイルスの感染症です。
ヒト乳頭腫ウイルスにはたくさんの種類があり、大別して皮膚型と粘膜・性器型に分けられます。 尋常性疣贅は、皮膚型のウイルスが皮膚に感染して、良性腫瘍の「イボ」ができる病気です。指や足の裏にできることが多く、埋まり込んだ形になるとミルメシアとよび、なかなか治りません。
子供の手足にできることが多く、
他の人に移ることはまれですが
自分のなかでは移り増えていきます。
時には、融合し腫瘤を形成することもあります。こうなると治療はきわめて難しくなります。
日本皮膚科学会のホームページから引用しました。これはやや極端ですが、これに近い症状の方はそれなりにおられます。
よく、ウオノメと間違われることがありますが、
子供にウオノメができることはほとんどありません。
ウオノメのとの鑑別には、ダーモスコピーが有用です。
ダーモスコピーで血管が詰まった所見があればイボと診断できます。
いずれもイボをダーモスコピーで見たものです。血管が詰まった所見があることがわかります。
次にウオノメをダーモスコピーでみたものです。
血管閉塞の所見は認められず、イボではないことがわかります。
しかし、小児ではウオノメとイボがわかりにくいことがあります。
下の写真を見てください。
ダーモスコピーでは血管閉塞がなく、あたかもウオノメのようです。しかし、小児にウオノメができることはほとんどありません。
これを削ってダーモスコピーで見ると、下のように見えます。
血管拡張が房状に認められます。これでウオノメではなくイボとわかります。
同様にダーモスコピーではウオノメに見えますね。
でも、削切すれば血管拡張が認められ、イボとわかります。
冷凍凝固で加療します。
つまり、
イボかウオノメかわからないときには、
まず削ってみることが重要です。
尋常性疣贅についてのQ&Aは
こちらから
尋常性疣贅(イボ)の治療
- ○液体窒素による凍結療法 (保険適応)
- ○ヨクイニン(ハトムギ種子抽出物)内服 (保険適応)
- ○活性型ビタミンD3外用
- ○トリ(モノ)クロロ酢酸外用
- グルタルアルデヒド外用
- ブレオマイシン局所注射
- ○炭酸ガスレーザーによる削切 (保険適応)
- ベセルナクリーム5%外用
当院で可能な治療には○を付けています。