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西風新都のこころ皮ふ科クリニックです。皮ふ科一般の治療と皮ふ外科、レーザー治療を行っています。

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ウオノメ、タコclavus, tylosis

ウオノメ、タコとイボについて

ウオノメタコイボは混同されることが多い皮ふ疾患です。

確かに、「足の裏によくできる硬い皮疹」という共通点があります。
しかし、
@ ウオノメとタコは親戚です。
A イボは全くの他人です。

イボについては、尋常性疣贅(イボ)とはのページを参照してください。
ウオノメとタコは反応性の皮ふ病変ですが、イボはウイルスの感染症ですので、原因も治療も全く異なります。

ポイントは、
@ 小児にはウオノメ、タコは滅多にできません。ほとんどがイボと考えてよいいと思います。
A 青年、中年、壮年には、ウオノメ、タコ、イボのいずれもできます。頻度は同じくらいですので、部位と性状などで判断する必要があります。
B 高齢者にはイボはあまりできません。ウオノメ、タコの頻度が圧倒的に高いです。

ウオノメとタコは骨(ときには爪)と靴(ないし床)挟まれた皮ふが反応性に硬くなる疾患ですので、皮ふの下に筋肉などの柔らかい組織しかないところには滅多にできません。
おしりや太もも、腹部、背中などにウオノメ、タコができることはほとんどありません。この部位にできていれば、それはイボだと判断できます。



ウオノメ(鶏眼)

一般的には「魚の目」と言いますが、医学的には「鶏の目」を意味する「鶏眼(けいがん)」と言います。
ウオノメの一番の特徴は、
なんと言っても「痛い!」ことです。特に硬い床の上に裸足で立ったりすると、強い痛みを感じます。
どうして痛いのでしょうか?
それは、硬くなった皮膚が「トゲ」のように刺さるからです。



 角質が厚くなり、トゲのように皮ふに刺さります。
 歩くたびに、このトゲが圧迫され、強い痛みを感じるようになります。
 








そして、ウオノメの下には必ず「骨の突起(骨棘とも言います)」があります。
その意味では、ウオノメは皮ふの問題ではなく、骨の問題とも言える疾患です。
この骨の突起は、長年の歩行や加重によって生じます。そこには、ハイヒールなどの爪先歩き、先細の靴、テニスや柔道の前傾姿勢などなど、いろいろな要因が複雑に絡みます。リウマチなどの骨変形を伴う疾患でも生じます。


糖尿病がある方に生じています。          かなり疼痛が強いタイプです。


隣の指と重なるところにも生じます。

爪に対して反応して生じたウオノメです。      女性に多い部位です。








 足の中央は女性に多い部位です。









タコ(胼胝)

一般的には「タコ」と言いますが、医学的には「胼胝(べんち)」と言います。

基本的な病態は「ウオノメ」と同じですが、一番の違いは、タコは「痛くない!」ことです。
ウオノメのような「トゲ」が生じていないからです。





 角質は厚くなりますが、トゲは生じません。 
 そのため、圧迫しても痛みはほとんどありません。










ただし、ウオノメと同じく、タコの下にも「骨の突起(骨棘とも言います)」があります。
ですので、やはり骨の問題として生じている疾患です。

外見上の所見は、ウオノメとほとんど同じです。




 左の写真は日本皮膚科学会のホームページから拝借しました。
 
 @ 左の皮疹はタコ
 A 右の皮疹はウオノメ です。

 ウオノメには芯がありますが、タコにはありません。

 ただし、外見だけではわからないことがほとんどです。

 削ると、芯の有無はだいたいわかります。









ウオノメ、タコの治療

ウオノメ、タコの治療は、イボとは全く違います。
イボはウイルスの感染症ですので、ウイルスを退治する、あるいはウイルスに対する免疫力を賦活化させる、あるいはウイルスの住み家をとってしまうなど、いずにしてもウイルスに対応する治療が必要です。

ウオノメとタコの治療は、そのような複雑なものではありません。
硬くなっている皮膚を削り取ってしまうことだけです。

しかし、ウオノメ、タコは骨の問題で生じていますので、根治を目指すなら「骨の処理」も必要ということになります。しかし、それは現実的には困難です。
したがって、トゲ状に刺さっている硬い皮膚をできるだけ深くまで削り取ることが治療になります。

削る方法は色々です。


 

 このようなウオノメカッターがAmazonでも販売しています。

 タコについてはこのようなものでも対応が可能と思いますが、ウオノメはトゲをくりぬく必要があるので、難しいかもしれません。











われわれ皮ふ科医は、昔からカミソリで削り取るトレーニングを受けています。




色々使用しましたが、貝印のこのカミソリが一番使いやすいです。

切れ味がよく、小さい操作にも対応できます。
必要なときには、カミソリの刃のみ取り外して使用することもできます。












実際にウオノメをカミソリで削っています。

右母趾球部に典型的なウオノメが認められます。   カミソリで削ります。

少し削ると、透明な組織が認められます。イボならここで点状に出血します。

硬い組織を削ると、一部にさらに透明な部位が残ります。 円で囲ったところがトゲの部位です。

トゲの部分をくりぬくように削りました。     円で囲ったところがトゲをくりぬいた部位です。


爪に反応して生じたウオノメです。        削切しました。爪も一部削ります。

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