オンライン診療について
現在(令和4年3月まで)のオンライン診療は、
新型コロナウイルス感染により
「時限的・特例的な対応として、令和2年4月10日に発表された事務連絡に基づく診療」です。
つまり、時限立法のようなものでした。
従って、
恒久的に提供できる診療ではない可能性がありました。
当院でも、コロナウイルス感染症の第2波の時に「電話再診」という形でオンライン診療を開始し、令和2年12月から
オンライン診療サービスのcuronというアプリを用いて診療を行っております。
ただし、現在は
再診患者に限り、オンライン診療を行っている状況です。
初診の診療について
しかし、
令和4年度の診療報酬改定により、
オンライン診療が恒久的に認められることが決まりました。しかも、オンライン診療で
初診料が251点と決められました。
これまではオンライン診療が認められていても、
初診はあくまで対面診察が推奨されていました。
しかし、この度の診療報酬改定により、名実ともに
オンライン診療での初診の診療が認められたことになります。
また
「概ね医療機関と同一の2次医療圏内に生活・就労の拠点を有する患者を対象とすることが望ましい」
と通達されていましたので、遠方の方(県外など)の初診はできないという解釈でしたが、これも撤廃されることが決まりました。
つまり、県外の方、極端に言えば北海道の方や沖縄の方でも診察ができることになります。(ただし、当院では広島県の患者さん限定にしています。)
これも時流ですので、
当院でもオンラインで初診の診療を開始することにしました。
オンライン診療研修
厚労省のオンライン診療研修を受講し、修了証を頂きました。
クリックで拡大します。
スマホアプリ「curon」を使用します。
診療は、
curonを用いて行います。
オンライン診療をご希望の方は、まずスマートフォンやタブレットに
curonをインストールして頂く必要があります。
つまり、スマートフォンやタブレットをお持ちでない方はオンライン診療を受けることはできません。
(電話再診は可能です。
ここをご参照ください)
次にcuronの流れについて説明します。
クリックすると、curonのホームページにリンクします。
まず、curonについて知って頂くことからはじめて頂ければと思います。
まず、curonをインストールして設定してください。
リンクあるいはQRコードからcuronをインストールしてください。
インストールはできましたか?
インストールが終了したら、curonに設定をお願いします。
詳しい設定の仕方は、次のURLあるいはQRコードからご確認ください。
https://curon.co/home/guide
設定の5番目で
医療機関を登録する必要があります。
当院の登録をお願いします。
当院のcuron施設コードは
「3c0e」です。
あるいは次のQRコードから登録してください。
どうでしょうか。うまくいきましたか?
これで、オンライン診療の準備は終了です。
curonを使用したオンライン診療の流れ
@ 当院で
予約枠を設定していますので、問診を記載して予約枠に予約をお願いします。
A 予約時間になりましたら、
当院からコールします。それまではお待ちください。
B お支払いは
クレジットカードで決済されます。
C 処方箋をご自宅に
郵送します。あらかじめcuronに調剤薬局が登録されていれば、薬局に直接郵送することも可能です。
D 自宅に届いた処方箋を調剤薬局に持って行き、お薬を受け取ってください。薬局によっては宅配サービスをされています。薬局とうまく連携されれば、当院→薬局→自宅に宅配という流れも可能です。
オンライン診療を行っている日時
オンライン診療は毎日は行っていません。
以下にスケジュールを示します。
|
月 |
火 |
木 |
金 |
土 |
初診 |
× |
○ |
× |
○ |
× |
再診 |
× |
○ |
○ |
○ |
× |
時間 |
19:30-20:00 (診療時間は一人当たり10分まで) |
クロンを登録してもらうと、予約カレンダーが表示されます。
クロン上で各自に予約をとって頂くことになります。
オンライン診療の前に知っておいてもらいたいこと。
皮膚科はオンライン診療に向いているという意見があります。
たしかに、多くの皮膚疾患は一目見れば大雑把な診断がつきます。
治療法もあまり多くはありません。
ステロイド外用剤を処方して塗ってもらえば、ほとんどの皮膚病は治るかもしれません。
一方で、
皮膚科ほど診断名が多い診療科は他にありません。
単純に手に赤くてかゆい皮疹が生じていても、「手湿疹」「接触皮膚炎」「異汗性湿疹」「進行性指掌角皮症」「貨幣状皮膚炎」などなど、いくらでも診断名があります。(でも、治療は全部同じだったりするのですが、、、)
つまり、皮膚科の醍醐味とは、これらのカルトな診断名を決めて、患者さんに説明することかもしれません。(あくまで院長の主観です)
そして、これらのカルトな診断をつけるには、オンライン診療では限界があります。
まず、
@ 触ることができません。
皮疹を触って、その硬さや膨らみを感じることで得られる情報は、皮膚科医にとってはとても重要です。診断にとっても重要ですが、それ以上にどの程度の強さの薬を選択するか、飲み薬が必要か、などはむしろ目で見るよりも触った印象から決められることが多いです。
A 画像では十分に情報が得られません。
これは誰しもわかると思います。スマホやタブレットのカメラはどんどん進化しています。それでも、ネットワークを介した画像となると、あまり鮮明ではありません。十分な情報を得ることは困難です。
B 検査ができません。
削った組織を顕微鏡で見て水虫がいるかどうかを調べたり、ダーモスコピーで皮疹を拡大してその性状を調べたり、、、ということは、オンライン診療ではできません。
他にも、対面し直接対話してはじめてわかることはたくさんあります。
これらのアドバンテージがない状態で診療をすることがオンライン診療の難しさだと思います。
オンライン診療の初診が適当でない皮膚疾患
これらのオンライン診療の難しさを理解した上でオンライン診療で初診の診療を受けて頂く必要があります。
オンライン診療の初診が適当ではない疾患を列挙します。
@ できもの(皮膚腫瘍):
腫瘍の診察では、ダーモスコピーで拡大したり、触って性状を確かめたりしなければ、ほとんど情報は得られません。さらに、良性、悪性となると、組織検査が必要になります。
「〇〇のように見えますね。」くらいの診断は可能かもしれません。
A 美容的なこと(シミ、脱毛など):
自費の治療の対象疾患の多くは実際に診察しなければわからないことだらけです。
しかも、レーザーにしても外用にしても受診して頂かない限り、治療はできません。
B 陥入爪:
当院では陥入爪の治療が多いですが、もちろんオンライン診療では治療はできません。
C 尋常性ざ瘡:
ディフェリンゲル0.1%、ベピオゲル2.5%、デュアックゲル、エピデュオゲルなどの面疱にも奏効するような外用剤は適切に外用しなければ効果が期待できません。また、皮ふがガサガサになるなどの副作用を伴います。これを、オンライン診療で理解して頂くことは困難と思います。
炎症性ざ瘡の治療だけなら可能と思います。
D 水虫(白癬)
皮膚科の代名詞みたいな疾患ですが、診断のためには皮ふを削って顕微鏡で白癬菌を同定しなければなりません。当然、オンライン診療ではそれはできません。「水虫ですかねぇ」ということで、とりあえず外用剤を処方することになります。(それなら、薬局で塗り薬を購入されるのと大差ないことになりますが。)
E 他院で加療してもよくならないような病変:
直接、対面で診察してそれでも改善しないような症状をオンライン診療で治療することはまずもって無理と思います。
他にもオンライン診療での初診が難しい疾患は多数あると思いますし、症状の程度によって同じ疾患でも向く向かないが生じると思います。
オンライン診療の注意点
@ 初診について
- 広島県内の患者に限る。
- 問診票の返信を頂いたあとにその内容を見て診察の可否を当方で判断します。
- 処方は14日分まで。
- 100%満足いくの診察は難しいと思います。あくまで、対面診察へのつなぎと思ってください。
A 再診について
- 当院に受診歴があること。
- 基本的に、以前に診察した内容と同じ疾患あるいは症状を想定しています。
- 処方は1ヶ月分に限る。(これまで2ヶ月以上処方しているケースでもオンライン診療では1ヶ月分に限ります。)
- 原則、外用剤の増量はできません。前回と同量での処方となります。
B 自費治療には対応しておりません。
自費の治療は比較的デリケートな内容の治療になりますので、オンライン診療では限界があります。
また、ハイドロキノン、トレチノインクリーム、ビタミンCローションについては院内からの郵送が必要となりますが、常温では品質が保てませんので、郵送はできません。
男性型脱毛症の治療薬(プロペシア、フィナステリド、ザガーロ、デュタステリド、スピロノラクトン)については、再診時に限り今後対応できるかもしれませ。(別途送料がかかります。)
C 診察は
安全かつ
静かなところで、原則お
1人で受けるようにしてください。
例えば、自動車の運転中、電車の中で、喫茶店で、カラオケボックスで、、、など、危険あるいは喧騒のなかでの診察はお断りします。
お子様の診察で保護者が同席、高齢者の診察で家族が同席、訪問看護師が同席、介護スタッフが同席などは認められております。
D オンライン診療が不適と判断したときには
対面診療をお願いします。
オンライン診療で症状が改善しないなど、オンラインでの診療が限界と判断したときには、速やかに対面診療に移行することに同意してください。
オンライン診療の費用
初診と再診で治療費が異なります。
下に概算を示します。ちょっと苦労して計算してみました。
あくまで概算ですので、多少の差違は生じる可能性があります。
|
|
初診 |
再診 |
保険診療 |
初診料or再診料 |
2,510円 |
730円 |
処方せん料 |
680円 |
680円 |
※特定疾患指導料
(疾患により算定) |
--- |
指導1:2,180円 |
--- |
指導2: 870円 |
自費診療 |
保健外併用療養費 |
550円 |
550円 |
処方箋の郵送代 |
84円 |
84円 |
アプリ使用料 |
330円 |
330円 |
医療の
総額 |
計(指導料 なし) |
4,154円 |
2,384円 |
計(指導1 あり) |
--- |
4,564円 |
計(指導2 あり) |
--- |
3,254円 |
支払い額
(負担額) |
3割負担の方(指導料 なし) |
1,924円 |
1,394円 |
3割負担の方(指導料1あり) |
--- |
2,044円 |
3割負担の方(指導料2あり) |
--- |
1,654円 |
負担なしの方 |
964円 |
964円 |
金額は令和4年4月現在のものです。改定などで多少の誤差が発生する可能性があります。
※特定疾患指導料は以下の疾患の
再診時に算定します。
○指導1:天疱瘡、類天疱瘡、エリテマトーデス(紅斑性狼瘡)、紅皮症、尋常性乾癬、掌蹠膿疱症、先天性魚鱗癬、類乾癬、扁平苔癬並びに結節性痒疹及びその他の痒疹(慢性型で経過が1年以上のものに限る。)
○指導2:帯状疱疹、じんま疹、アトピー性皮膚炎(16 歳以上の患者が罹患している場合に限る。)、尋常性白斑、円形脱毛症及び脂漏性皮膚炎
オンライン診療では、
保健外併用療養費、処方箋の郵送代、アプリ使用量が別途必要となります。
そして、
これらは保険診療外(自費診療)ですので、通常
自己負担のない方でも支払いが必要となります。つまり、
すべての患者さんに最低964円の負担が必ず生じます。
すべてクレジットカード決済です。当院で直接お支払いになる必要はありません。
オンライン診療の時間
当面は、通常診察後に予約枠を設定しますが、今後オンライン診療の希望が増えましたら、午前中にも予約枠を検討したいと思います。
|
月 |
火 |
木 |
金 |
土 |
初診 |
× |
○ |
× |
○ |
× |
再診 |
× |
○ |
○ |
○ |
× |
オンラインの診療時間 |
19:30-20:00 |
火、木、金曜日のみです。月、水、土、日、祝祭日には診療しません。 |
予約枠を設定していますので、各自がcuronで予約をお取りください。 |
順番にコールしますので、この間のいつ頃コールするかはわかりません。 |
必ず、curonに出ることが可能な体制でお待ち頂くようにお願いします。 |
診療が長引いたときには、予定時間以降にコールすることがあります。 |
一人当たり約10分の診察時間を想定しています。もちろん、必要があれば適宜延長します。 |