かぶれの原因を調べるために行う検査です。
アレルギーには1〜4型があります。そのうち皮ふに関与するアレルギーは主に1型と4型です。1型は即時型アレルギー、4型は遅延型アレルギーと呼ばれます。簡単に言うと、じんま疹は1型アレルギー、接触皮膚炎(かぶれ)は4型アレルギー、アトピー性皮膚炎は1型+4型アレルギーと考えられています。
このうち4型アレルギーの診断に必要な検査がパッチテストです。
皮ふに原因と考えられる物質(かぶれるもの)を貼付して、皮ふの反応を調べる検査です。
パッチテストの方法
- 背中、二の腕内側の正常な皮ふに、かぶれを起こしていると考えられる物質(例:化粧品、植物、石けんなど)を付けた試験紙付きのフィルム(パッチテスター)を貼ります。
- このまま48時間は貼り付けたままにします。 2日目(48時間後)に再診してもらい、パッチテスターを剥がします。テスターの刺激反応が消えるまで30分待ち、結果を判定します。
- 判定は2日目(48時間後)と3日目(72時間後)に行います。可能であれば1週間後にも判定を行います。
- 判定は反応の強さに応じて5段階で行います。
パッチテスター
パッチテスト期間中の注意事項
- テスターが貼付されている間は、検査部位を濡らさないようにしてください。濡らすと検査する物質が流れてしまい、判定できなくなります。
- テスターを除去した後は濡らしても大丈夫ですが、検査部位をこすらないでください。また、検査した部位がわかるように油性ペンで印、番号を書きます。印が消えそうになったら自分で印を書き直してください。
- ステロイド剤を内服中の方は申し出てください。 ステロイド内服中の方は、パッチテストの正確な判定ができません。そのため、可能なら検査の3日前〜終了までは内服を中止する必要があります。ステロイド剤の外用は検査部位以外であれば問題ありません。
パッチテストで検査できるもの
皮ふに貼ることができれば、基本的に何でも検査をすることができます。
ただし、反応の強いものではパッチテストにより強い炎症を生じ、化学熱傷を生じることがあるため、密封せず皮ふに塗るだけで反応を見ます。
例えば、灯油やヘアダイ、パーマ液、除毛クリームなどです。
化粧品や植物などは、そのままの濃度でパッチテストが可能ですが、石けんやシャンプーでは100倍に薄めて検査を行います。
当院で検査できるのは、患者さんが持参されたものだけです。→
金属パッチテストと
パッチテストパネル(S)はできるようになりました。
金属パッチテストは下を見てください。
パッチテストパネル(S)は
ここを見てください。
金属パッチテストについて
指輪、ネックレス、ピアス、イヤリングなどのアクセサリーや時計でかぶれる方はかなり多いと言われています。また、歯科金属など体内の金属が微量なら溶解し、全身にアレルギーを起こすことも報告されています。
金属アレルギーがあると言われる方は比較的多いですが、実際に検査をされた方は少ない印象ですね。
平成28年4月から、当院でも金属アレルギーの検査ができるように、パッチテスト試薬金属(16品目)を購入しました。
検査ができる内訳は次の通りです。
検査できる 金属 |
アルミニウム |
銀 |
コバルト |
重クロム |
スズ |
クロム |
鉄 |
ニッケル |
白金 |
亜鉛 |
パラジウム |
金 |
マンガン |
銅 |
インジウム |
イリジウム |
こちらをクリックしてください。
パッチテストができる曜日
貼付して2日目、3日目に判定しますので、それらが休診日とかぶらない必要があります。
ですので、
|
検査日 |
48時間判定 |
72時間判定 |
パターン1 |
火曜日 |
木曜日 |
金曜日 |
パターン2 |
土曜日 |
月曜日 |
火曜日 |
の日程で行います。
基本的には来院時に検査できますが、希望される検査の対象物が多いときには後日に予約で検査をさせて頂きます。
石けん、シャンプーなど希釈を要するものは、後日の検査になります。
パッチテストの料金
健康保険は適応されます。
以下の金額は3割負担の場合です。
初再診料、処方料などは別途必要です。
希望が1個でも比較のためワセリンを同時にテストしますので、最少でも2カ所の算定になります。
21箇所以内の場合(1箇所につき) |
約50円 |
22箇所以上の場合(一連につき) |
約1,050円 |
金属パッチテスト(金属16種+ワセリン) |
約1,000円 |