炭酸ガスレーザーについては、
脂漏性角化症のページを参照してください。
基本的には脂漏性角化症と同様の治療です。
イボを炭酸ガスレーザーで、削り取ります。
局所麻酔をして、イボを真皮の中層まで削り取ります。
その後は皮ふが再生するまで、塗り薬を外用してもらいます。
局所麻酔をして、イボを炭酸ガスレーザーで削り取っています。
ある程度照射したら、はぎ取ることができます。
ピンセットでイボをはぎ取っています。さらにレーザーを照射して終了です。
別の症例です。
当院で何度も冷凍凝固を行いましたが、その都度再発します。中学生です。
局所麻酔後駆血して炭酸ガスレーザーで削切しました。
削り取った疣贅です。比較的容易に剥離できます。
術後8ヶ月です。別件で受診されたときに写真を撮りました。再発はなく瘢痕も残りません。
治療後時間を空けて再診される方は少ないため、貴重な写真です。
別の症例です。
足底では周囲から真皮下層でイボを剥がしながら、レーザーで切除します。
表です
裏です。
術後は皮膚が再生するまで外用剤で加療します。出血が一番の問題です。
その後の写真はありません。
特に適応になるのは、爪のまわりのイボです。これは冷凍凝固ではなかなか治りません。
他院にて冷凍凝固を何十回も行われたそうです。
このようなイボには炭酸ガスレーザーとベセルナクリーム5%の併用が有効です。
この治療については、下の実際の治療例を見て下さい。
炭酸ガスレーザーの治療の特徴
炭酸ガスレーザーの治療の特徴は、
どうあれイボがなくなることです。ですので、どうやってもびくともしないイボを一旦なくしたいというときには選択できます。
その代わり、
局所麻酔をしなければ治療はできません。また、治療中は安静を保って頂く必要があります。そのため、乳幼児には困難な治療です。
かなり、強引な治療ですので、誰にでも勧められるものではありません。
他の治療を行っても、どうしてもイボがなくならない方にお勧めできる治療です。
冷凍凝固などの治療をくり返し行っても改善しないイボに限り、治療を行っております。
手足などに
小さなイボが多発している症例への適応はありません。
すべてに局所麻酔をすることは、麻酔の投与量と注射時の疼痛の面から難しいからです。どうしても炭酸ガスレーザーを希望であれば、全身麻酔(足だけなら脊椎麻酔でも可能)が必要ですので、もよりの総合病院に相談してください。
術後は出血しますので、1日間は圧迫固定が必要です。翌日は受診して頂き、止血を確認します。止血したら、外用剤で皮ふが閉鎖するのを待ちます。指先や足の裏ではほとんど傷を残さずに治癒します。
健康保険は適応されます。
炭酸ガスレーザーの治療の症例
○症例1
何をやっても効果のなかった踵のイボです。
炭酸ガスレーザーで削り、1ヶ月後です。
炭酸ガスレーザーで削り、3ヶ月後です。
まだ、皮膚は薄いですが、イボの再発はありません。
○症例2
何度治療しても治らなかったイボです。医療関係の学生さんでした。本人の許可を得て掲載しています。
脂肪がでる直前まで削りました。
炭酸ガスレーザーを施行後1ヶ月です。
皮ふはほぼ再生しています。しかし、イボも少し再発しています。
ここからベセルナクリーム5%の外用を併用します。これがキモになります。
ベセルナクリーム5%の外用後1ヶ月半です。
全くイボのない指になりました。
興味深いのは右人差し指のイボも一緒に治っているところです。ここには炭酸ガスレーザーは行っていませんが、ベセルナクリーム5%の外用だけは行いました。免疫力によりイボが治ったと考えられます。
このように、どうやっても効果のないイボには最終手段で炭酸ガスレーザーの治療を行います。
ベセルナクリーム5%はイボの治療には保険適応がなく、保険外で処方することになります。