掌蹠多汗症に対し、塩化アルミニウムの外用療法を行っています。
塩化アルミニウム溶液は、汗を出す管(汗管)の細胞に作用し、この管を閉塞させることで発汗が減少するといわれています。
ただし、この効果は一過性であるため、効果を持続させるには継続的な治療が必要になります。また、高い有効性が報告されていますが、全ての患者さんに効果を保証できるものではありません。
塩化アルミニウムの作用機序
塩化アルミニウム溶液は、汗を出す管(汗管)の細胞に作用し、この管を閉塞させることで発汗が減少するといわれています。
つまり、汗腺で作られた汗が汗管を通って皮ふに出るまでの通り道を塞いでいることになります。
塩化アルミニウムの治療方法
- 脇の多汗症、手のひらの軽症の多汗症
- 就寝前に、脇や手のひらに塗ります。翌朝、水で洗い流します。
- 効果が出るまで毎日繰り返し、効果が出れば週1-2回の塗布を続けます。
- 手のひらの中等症〜重症の多汗症
- 就寝前に手のひらに大量に塗布し、さらに上からゴム手袋やサランラップで覆います。翌朝、水で洗い流します。
- 効果が出るまで毎日繰り返し、効果が出た後は週1-2回の塗布を続けます。 薄手の綿の手袋をしてその上から溶液を染み込ませた後、サランラップで覆うとさらに効果的です。
2種類の濃度の塩化アルミニウムを用意しました。
多汗症の治療ガイドラインでは 、
脇の多汗症には
10-35%塩化アルミニウム溶液の外用
手のひらや足の裏では
20-50%塩化アルミニウム溶液の外用
が推奨されています。
そのため、当院では、
20%塩化アルミニウム溶液と
40%塩化アルミニウム溶液を用意しています。
一般的には、脇には20%塩化アルミニウム溶液、手のひらと足の裏には40%塩化アルミニウム溶液を外用してもらいますが、濃度が高い方が治療効果は強いです。
ただし、濃度が高いほどかぶれやすくなりますので、注意が必要です。
塩化アルミニウムの治療の料金
塩化アルミニウム溶液は院内で調合しています。
健康保険は適応されず、塩化アルミニウム溶液については実費で頂きます。
令和元年10月から消費税率の変更に伴い料金を改変しました。
20% 塩化アルミニウム溶液 100ml |
1,650円 |
40% 塩化アルミニウム溶液 100ml |
2,100円 |
Q&A よくある質問
治療にはどのくらいの期間がかかりますか?
2週間連日で外用すれば効果が実感できることが多いです。それでも効果が実感できないときは中止してもよいと思いますが、それ以降に効果を実感できる方もおられます。この効果は可逆性ですので、中断すれば徐々に元に戻ります。ですので、間隔を開けながらでも治療を継続することが必要です。
他の治療と併用してもいいですか?
市販の制汗剤やグランダキシン、補中益気湯などの内服薬と併用して頂いても問題ありません。イオントフォレーゼを併用してもかまいませんが、刺激が強くなることがあります。