最近では、金属アレルギーという話をよく耳にします。患者さんの方から、「自分には金属アレルギーがあります」と言われることも多いです。
どうして、このように金属アレルギーがポピュラーになったのかはわかりませんが、一因として
ピアスの影響が考えられています。
ここには金属アレルギーの発症機序が関係します。
金属アレルギーが成立するためには、まず
金属に対する免疫が獲得される(
感作といいます)必要があります。
兵庫保険医新聞のシェーマより引用し、改変しました。
ちょっと難しいシェーマと思いますが、金属アレルギー獲得の機序が記載されています。
要点は、金属アレルギーが生じるためには、まず
金属に感作される必要がありますが、金属との接触が濃厚である方が感作がより容易になると考えられます。
ピアスでは金属を皮ふに差し込むので、指輪やイヤリングなどのアクセサリーに比べ、皮ふと濃厚に接触することになります。結果として、金属アレルギーが獲得が容易になると考えられています。(あくまで仮説ですが。)
特に、ピアスホールを開けた後、皮ふが十分に表面を覆わないうちに金属製のピアスを入れると、この傾向が顕著になります。ピアスをしていて、ホールから汁が出るようなときも皮ふが欠損していますので、同じ結果になりがちです。
調子の悪いピアスホールに「3か月以上」ピアスをつけていると金属アレルギーになる危険性が高いという報告もあるようです。
ピアスについては、1991年には17%であった採用率が2000年には33%とほぼ倍増しており、20代女性においては56%と半数を超えているそうです。こういった背景が金属アレルギーの増加につながっていることは疑いがたいと思います。
もちろん、ピアス以外のアクセサリーや時計、歯科金属などでも金属に感作される可能性はあります。
金属アレルギーを起こしやすい金属
これは時代の変遷によってアレルギーを生じる金属の種類も変わってきてますが、それでもTop3は変わりません。
第1位:ニッケル
第2位:コバルト
第3位:クロム
これらの金属は、汗で溶解しやすく、日常品の多くに含まれるためと考えられます。
それ以外の金属では、
水銀、金、銀、白金、パラジウム、インジウム、イリジウム、アルミニウム、スズ、鉄、亜鉛などです。
逆に、金属アレルギーを生じにくい金属は、チタン、マグネシウム、ベリリウムです。
では、ひとつひとつどのようなものに含まれるか見ていきましょう。
@ ニッケル
光沢があり耐食性が高いため装飾用のめっきに用いられるほか、導電性も高い(鉄、クロムより優れるが銅には及ばない)ため電気接点のめっきにも好んで使われています。日本で現在発行されている50円硬貨や100円硬貨は銅とニッケルの合金(白銅)です。
一般人の8.6%がニッケルアレルギーをもっていると言われています。
ニッケルを含むもの |
飲食 |
鍋 |
フライパン |
ビール樽 |
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チョコレート |
紅茶 |
コーヒー |
ナッツ |
形状記憶合金 |
メガネのフレーム |
ワイシャツ |
ブラジャー |
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アクセサリー |
ピアス |
ネックレス |
指輪 |
キーホルダー |
ステンレスの一部には ニッケルを含むものがある。 (オーステナイト系) |
ニッケルは、体内に入るとほとんどは、便・尿に混じって排出 |
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パッチテストの料金
健康保険は適応されます。
以下の金額は3割負担の場合です。
初再診料、処方料などは別途必要です。
希望が1個でも比較のためワセリンを同時にテストしますので、最少でも2カ所の算定になります。
21箇所以内の場合(1箇所につき) |
約50円 |
22箇所以上の場合(一連につき) |
約1,050円 |
金属パッチテスト(金属16種+ワセリン) |
約1,000円 |