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西風新都のこころ皮ふ科クリニックです。皮ふ科一般の治療と皮ふ外科、レーザー治療を行っています。

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じんま疹urticaria

じんま疹の特徴

赤くて盛り上がった皮疹が全身に多発することが多いですが、皮疹の形、大きさはまちまちです。
米粒大の皮疹が多発する方から、地図状の大きな局面が多発する方までさまざまです。また、クインケ浮腫と呼ばれるような、口唇や眼瞼だけに腫れを起こす方もおられます。

それでも1つ共通した特徴があります。おおよそ半日程度で1つ1つの皮疹は消えてしまうということです。しかも、皮疹が消えた後には色素沈着を残しません。もともとの普通の皮ふに戻ります。

1日以上消えずに持続している皮疹であればそれはじんま疹ではありません

そのため、診断には皮疹の経過が重要です。受診時の所見のみではじんま疹かどうか判断できないことが少なくありません。皮疹が生じてから受診されるまでの間に、皮疹が出たり消えたりしているかどうかがじんま疹と診断する上で最も重要です。

つまり、患者さんや家族の助けがなければ診断できないことが多い疾患です。。


じんま疹の鑑別点をシェーマにしてみました。






じんま疹のメカニズム

じんま疹のメカニズムをシェーマにしてみました。







じんま疹の原因について

じんま疹の約6割は特発性のじんま疹と呼ばれ、原因不明です。
残りの4割は何らかの原因があると言われています。原因については特定の食物、環境因子で検査をすることは可能です。希望があれば項目表をお渡ししますので、選んで頂き血液検査を提出します。ただし、それで原因が特定できるとは限りません。

原因は重要ですが、治療する上で原因が不明であっても問題ないことがほとんどです。



じんま疹の治療について

前述のように、じんま疹の原因がわからなくても治療はできます。 じんま疹の機序を考えると自ずと答えが出るからです。

上と下のシェーマを対比しつつ読んでください。
何らかの原因が皮ふの中の肥満細胞を刺激します。その刺激により肥満細胞が脱顆粒してヒスタミンが放出されます。このヒスタミンが神経と血管に作用して、「かゆみ」「赤み」「膨らみ」といった皮疹を引き起こします。これがじんま疹です。

つまり、じんま疹を直接引き起こしているのは「ヒスタミン」です。そのため、このヒスタミンに対して、抗ヒスタミン作用のある薬剤(抗ヒスタミン薬)で治療を行います。
原因を取り除いて治療することが理想ですが、これはなかなか困難です。







じんま疹の治療薬

じんま疹の治療はガイドラインに沿って行います。

・軽症〜中等症
  1. 抗ヒスタミン剤の内服:じんま疹に外用剤は効きません。内服薬で治療を行います。通常量で効果がなければ、倍量までの増量他剤を追加他剤に変更するなどで対応します。 経験的に2剤の内服までは保険が容認しているようです。
  2. 補助的薬剤の追加:H2ブロッカーと呼ばれる胃薬、抗ロイコトリエン薬などを追加します。
・重症
  1. ステロイドの内服:通常、プレドニン1〜3錠(5mg〜15mg)を内服します。
  2. 特殊な治療:免疫抑制剤の内服、ステロイドの大量内服、ゾレア(抗IgE抗体拮抗薬)、デュピクセントの注射(分子標的薬)


B、Cは副作用のある治療なので、適応は重症な方に限られます。ゾレアやデュピクセントには特に副作用はありませんが、1ヶ月の医療費が数万円ととても高額です。

近年、重症じんま疹に分子標的薬の治療が行われるようになり、めざましい治療効果が確認されています。
こちらについては、じんま疹のバイオ治療のページを参照してください。

治療の期間について

じんま疹は、発症して
1ヶ月以内を急性じんま疹1ヶ月以上持続すると慢性じんま疹と呼びます。

急性じんま疹では、まず7日間内服して頂きます。7日間じんま疹が抑制できれば、だいたい7割の方がそのまま治ります。これを7-7の法則と呼びます。7日後に再燃したときには、1ヶ月内服して頂きます。
慢性じんま疹では、最初から1ヶ月内服して頂きます。それでも再燃するときには、治療期間は予想できません。数年になることもまれではありません。

いずれにしても、じんま疹が生じない期間を長く持続できれば自然に治ることが多い疾患です。
規則的に抗ヒスタミン薬を内服して、一定期間じんま疹のない生活を送ることが重要ですね。



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