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西風新都のこころ皮ふ科クリニックです。皮ふ科一般の治療と皮ふ外科、レーザー治療を行っています。

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〒731-3168
広島市安佐南区伴南1-5-18-8-303

局所免疫療法local immunotherapy

局所免疫療法とは?

人工的にかぶれを起こしてイボを治療する方法です。
多発したイボについては切り札になる治療と言われています。

なぜ、かぶれが起こるとイボが治るのでしょうか?
あくまで推論ですが、かぶれが起こっている状態では、T細胞と呼ばれる免疫細胞がその部位に集まっています。そのT細胞がイボの原因となっているウイルスを認識し、やっつけてくれているのではないかと考えられています。
液体窒素による凍結療法やトリクロロ酢酸の治療でも、イボを直接破壊している側面と組織を変性させて免疫細胞を活性化させている側面があると言われており、免疫がイボの治療に重要な関わりを持つことは間違いないようです。


SADBEとは?

SADBEとはスクアリック酸という物質で、コピー機やレーザープリンターなどの電子写真感光体の色素染料のひとつです。
皮膚に塗布することで人工的に接触皮膚炎(かぶれ)を生じさせることができます。
薬剤ではありませんが、皮膚科として以前から円形脱毛症の治療として使用されてきた経緯があり、安全に使用できる物質です。


治療の流れ

@まず 、SADBEを体におぼえさせます。(これを「感作させる」といいます。)
 1%に薄めたSADBE溶液を染み込ませたテスターを体に貼ります。普通は上腕の内側に貼り付けて、 2日間待ちます。

テスターに1%SADBE溶液を染み込ませています。

上腕の内側に貼付しました。(ちなみに写真は院長です。)

貼付して2日後です。貼付部に紅斑が認められます。かゆみと痛みが少しあります。
これで感作が成立です。

A感作が成立して2-4週後からSADBEをイボに外用します。
 SADBEに対して感作が成立すると、全身のどこにSADBEを外用してもかぶれをおこすようになりま す。したがってイボにSADBEを外用するとイボにかぶれが生じます。このかぶれによる免疫反応でイ ボを治療します。
 ただし、感作に使用したSADBEと同じ濃度のものを外用するとかぶれだらけになりますので、イボに 外用するSADBEはもっと薄めたものから使用します。




当院では脱毛治療にも使用しますので、2%〜10-12%までの15段階でSADBE溶液を準備しています。
イボではだいたい2%〜10-2で外用します。
週に1回来院して頂き、イボにSADBE溶液を単純に外用します。ガーゼでは覆いません。


有効性は?

当院の治療成績はまだ集計できません。
学会の報告によれば、
他の治療で改善しなかった21例中12例(57%)でイボが完全に消失したと報告されています。
有効であった症例では、外用してから平均3.6週間(3-4回の外用)でイボの縮小が認められ、数例は感作の段階でイボの縮小が認められたようです。
そして、有効例は外用を開始して1ヶ月半以内に改善が確認できたとのことです。


治療の前に理解して頂くこと

  • 保険で認められた治療ではありません。(保険が適応されるイボの治療は、冷凍凝固、電気焼灼、ヨクイニンの内服のみです。)ですので、治療は承諾書を頂いた上で行います。
  • 治療の適応になる症例は、多数のイボがあり、冷凍凝固の治療で改善しない方爪のまわりのように冷凍凝固の治療が生活上困難な方です。
  • 治療費は特別には徴収しません。ただし、1カ所については冷凍凝固を軽く施行させて頂き、冷凍凝固を算定させて頂きます。
  • 人工的にかぶれをおこすことによりイボの治療を行なうため、かぶれにともなう様々な副作用を生じる可能性があります。
    • 感作のためにSADBEを貼付した部位にかゆみ、赤みが生じます。
    • さらに反応が強い方では水ぶくれや潰瘍(皮膚の傷)が生じることがあります。また、治った後に色素沈着が残ります。
    • イボにSADBEを外用するときにも、同様にその周囲にかゆみと赤みを生じます。段階的に濃いSADBEに変更していきますが、時には強いかぶれが生じることがあります。水ぶくれやびらん、潰瘍を生じるときには、ステロイドの外用などで対処が必要になることがあります。
    • イボに外用したSADBEが別の部位に付着すると、その部位にかぶれを生じます。
    • イボにSADBEを外用する過程で、感作のためにSADBEを貼付した部位に再度炎症を起こすことがあります。

当院でイボに対する免疫療法を行なう際には、上記に記したような利点と欠点を口頭と書面にて説明してから行ないます。治療内容について十分理解し、納得してから治療を受けて頂く必要があります。


SADBEで加療した実際の症例

右中指の疣贅です。院長の指です。人生で初めて、イボができました。

SADBEを外用して2日目です。軽度の赤みが認められます。

SADBEを外用して3日目です。赤みは昨日より強くなりました。少しかゆいです。

SADBEを外用して5日目です。赤みに加えて腫れがあります。イボは少しガサガサになってきました。

続きは随時掲載していきます。

Q&A よくある質問

必ずイボは治りますか?

高い有効性が報告されていますが、100%の効果を保証できるものではありません。当然、効果がないこともあり得ると思います。

入浴してもいいですか?

感作のためにSADBE含有テスターを貼付したときは、同部を濡らさないようにして頂ければ入浴は可能です。治療のためにSADBE溶液を外用したときは、その日は濡らさないようにして下さい。

全身に悪影響があることはありませんか?

理論上、SADBEにかぶれやすくなりますが、SADBEは通常の生活で皮ふに触れることはありません。ですので、仕事などでSADBEに触れることがある人でない限り問題はないと思われます。また、感作は一生続くものではありません。ですので、小児が治療を行ったとしても、将来的にSADBEにかぶれ続けることはないと思われます。

他の治療と併用できますか?

原則、他の治療とは併用しませんが、ヨクイニンの内服は併用しても大丈夫と思います。


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