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西風新都のこころ皮ふ科クリニックです。皮ふ科一般の治療と皮ふ外科、レーザー治療を行っています。

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アレルゲンallergen

アレルゲンとは?

一般にもアレルゲンという表現をよくしますので、耳慣れた言葉かもしれません。
もともとは、免疫反応における抗原をアンチゲン(antigen)と呼ぶことから、アレルギーと抗原(アンチゲン)という二つの言葉を合成してとアレルゲンと呼ぶようになったようです。アレルギーという疾患の提唱者であるオーストリアの小児科医フォン・ピルケーの造語です。

つまりは、アレルギー症状を引き起こす原因となるものアレルゲンと呼んでいます。

スギ花粉症のようにアレルゲンがタンパク質【Cry j 1(クリジェイワン)】まで同定されているものもありますが、通常はそのアレルゲンを含んだ物質(食品など)を指すことがほとんどです。たとえばスギ花粉症におけるアレルゲンは スギ花粉として認識しています。


アレルゲンの種類

現在、RAST検査では200項目以上のアレルギー反応を調べることができます。詳細は、アレルギーの血液検査のページに記載していますので参照して下さい。

項目はこれでわかりますが、その内容や意義はそれだけではわからないと思います。例えば、オボムコイドが何でありその検査意義を知っていなければ、検査をしても意味がありません。
このページでは、アレルゲンの検査内容についてその意義を記載しています。


ダニ、ほこり類

  1. 家のホコリ、チリ
    • ハウスダスト1
    • ハウスダスト2 
     いずれも家のホコリです。2つありますが、アレルゲンを製造している会社の違いだけです。ですので、ハウスダスト1で反応する人はハウスダスト2でも反応します。日本やアメリカはハウスダスト2の成分に近く、ヨーロッパではハウスダスト1の成分に近いと言われています。日本ではハウスダスト2のみ検査すれば十分と思います。

  2. 家のダニ
    • コナヒョウダニ
    • ヤケヒョウダニ 
     
    チリダニ科のダニです。人の血を吸うダニではなく、家の布団やカーペットなどに付着し、人や動物のフケをエサにしています。これらの死骸はハウスダストとして扱います。
    ヤケヒョウダニとコナヒョウダニの違いはほとんどありませんが、コナヒョウヒダニはヤケヒョウヒダニよりも乾燥に強いと言われています。近年の都市化や冷暖房の普及により室内湿度が低下しているため、コナヒョウヒダニの優占家庭が多くなっている傾向があります。広島で検査するなら、マンションはコナヒョウダニ、木造はヤケヒョウダニがいいのかもしれません。
    詳細は、ここを参照下さい。

  3. 貯蔵庫のダニ
    • アシブトコナダニ
    • サヤアシニクダニ
    • ケナガコナダニ
     アシブトコナダニとサヤアシニクダニは穀物や乾物に住み着きますので、小麦粉の袋を開けっ放しにしておくと内部で繁殖します。小麦粉やお好み焼き粉、ホットケーキミックスに混入したダニを口から摂取することで、アナフィラキシーをきたすことがあります。 これらは「Oral mite anaphylaxis」または「Pancake syndrome」と呼ばれ、1993年に初めて米国で報告されました。日本でも2000年代になって報告が散見されます。
    ケナガコナダニは穀物や藁に住み着きますので、住宅では畳にいることがあります。

花粉類

花粉類は大きく3つに分類されます。
「樹木」、「イネ科」、「雑草」です。
そのおのおので10種類以上の花粉のアレルギーを検査できます。しかし、個別に検査する意味はあまりないと思います。ただし、樹木、イネ科、雑草は花粉の飛ぶ時期が違いますので、それについては把握しておくと花粉症の対策が容易になります。
これについては、ここに詳しく記載されています。


1年周期で言うと、ハンノキで始まり、スギ、ヒノキと続いて、春の花粉はシラカンバで終わります。
それとかぶるようにイネ科の花粉が飛散します。
秋には、キク科クワ科の雑草の花粉が飛散します。

  1. 樹木の花粉
    • スギ(1月〜4月)
      花粉症の原因の第一位です。ここ10年間のスギ花粉の飛散量はその前10年間の約2倍になっています。
    • ヒノキ(3月〜5月)
    • ハンノキ(1月〜4月)
    • シラカンバ(4月〜5月)
      シラカバ花粉症の30〜50%に、りんごやさくらんぼなどのバラ科の果実を食べると口腔アレルギー症候群を起こすことが知られています。シラカバの花粉とバラ科の果実に共通の成分(抗原)が存在することが原因ではないかと考えられています。
    • ブナ(4月〜6月)
    • ビャクシン(3月〜4月)
    • コナラ(3月〜5月)
    • ニレ(4月〜7月)
    • オリーブ(5月〜6月)
    • クルミ(4月〜5月)
    • ヤナギ(4月〜5月)
    • マツ(4月〜7月)
    • アカシア(5月〜6月)
    • クワ(8月〜10月)


  2. イネ科の花粉
    • ハルガヤ(5月〜7月)
    • ギョウギシバ(6月〜8月)
    • カモガヤ(5月〜7月)
    • ヒロハウシノケグサ(6月〜8月)
    • ホソムギ(5月〜6月)
    • オオアワガエリ(5月〜8月)
    • アシ(8月〜9月)
    • ナガハグサ(6月〜8月)
    • コヌカグサ(5月〜7月)
    • セイバンモロコシ(7月〜8月)
    • 小麦(4月〜6月)
    • オオスズメノテッポウ(4月〜7月)
    • スズメノヒエ(8月〜10月)

  3. 雑草類の花粉
    • ブタクサ(8月〜10月)
    • ブタクサモドキ(8月〜10月)
    • オオブタクサ(8月〜10月)
    • ニガヨモギ(8月〜10月)
    • ヨモギ(8月〜10月)
    • フランスギク(5月〜6月)
    • タンポポ
    • ヘラオオバコ (7月〜9月)
    • シロザ (9月〜10月)
    • アミノキリンソウ(9月〜10月)
    • ヒメスイバ (4月〜6月)
    • イラクサ(3月〜5月、8月〜10月)
    • カナウムグラ(8月〜11月)
     

真菌(カビ)、細菌(ばい菌)類

カビやばい菌と聞くと、どうして人間のアレルギーに関係あるのかと思われるかもしれません。しかし、人間の皮ふ表面には約1兆個の常在菌がいると言われています。常在菌は10種類程度と言われますが、そのほとんどは人間に無害な非病原性の菌です。代表的なものに、表皮ブドウ球菌、アクネ菌、真菌類などがあります。
アトピー患者さんの皮ふに付着したカビを 調べたところ、約3割の人から病原性のカビ(白癬菌、カンジダ、クラドスポリウムなど)が検出されたという報告があります。特にクラドスポリウムがみつかった患者さんは治りが悪く、同じ場所が繰り返し悪化する傾向があるそうです。
このようなカビやばい菌が常在している方の中には、常にカビやばい菌に対してアレルギーが持続していることがあり、結果として湿疹や皮膚炎が持続することになります。原因不明の慢性湿疹では一度カビやばい菌のアレルギーを検査してみる意義はあると思います。

アレルギー症状の原因となるカビは、屋内外の環境中にみられる空中真菌人に寄生しているヒト寄生菌に大別されます。空中真菌はカビの胞子が空中に浮遊するため、吸い込むことによって体内に侵入し、気管支喘息やアレルギー性鼻炎などの気道アレルギーの原因となります。また、ヒト寄生菌は主にアトピー性皮膚炎の増悪因子になることが報告されています。
皮ふ科で重要なのは当然ヒト寄生菌になります。

空中真菌
  • ペニシリウム
    いわゆるアオカビです。 ほとんどのアオカビは、健康な人には感染せず非病原性です。しかし、一部のアオカビは、エイズ患者などに日和見感染を起こしたり、また、爪、耳、肺、尿路においてペニシリウム症と呼ばれる感染症を起こすことがあります。 皮ふにトラブルを生じることは少ないと思います。
  • クラドスポリウム
    いわゆるクロカビです。浴室の壁のしみの大部分はこのカビが原因です。その他にクーラーの吹き出し口の黒い固まりもこのカビですので、エアコンで空中に飛散します。 空中雑菌と呼ばれることもあり、喘息の原因になります。皮ふにアレルギーを生じることはまれです。
  • アスペルギルス
    自然界にもっとも広く分布するカビです。空気中にも日常的に飛散しています。アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の原因として有名ですので、主に肺に病変を生じます。皮ふに病変を生じることはきわめてまれですが、不潔でジクジクしたところに感染を生じることがまれにあります。しかし、アレルギーの血液検査を皮ふについて行う意義は少ないと思います。
  • ムコール
    ケカビ属のカビです。食品、特にモモなどの柔らかい果実を腐敗させる原因になります。免疫力が低下した人の肺で増殖してムコール肺症を引き起こすことがあり、きわめて重篤になります。皮ふについては特に病変を生じることはないようです。
  • アルテルナリア
    基本的には空気中に飛散するカビです。喘息やアレルギー性鼻炎の原因になることがありますが、皮ふのアレルギーの原因になることはほとんどありません。免疫力の弱った方の皮ふ深くに感染症を生じることがまれにありますが、アレルギーとは関連はありません。
  • ヘルミントスポリウム
    空中真菌の一つです。オート麦、トウモロコシ、草、サトウキビなどに寄生し、葉枯病の原因になります。喘息やアレルギー性鼻炎の原因になりますが、皮ふにアレルギーを生じることはないと思います。
ヒト寄生真菌
  • カンジダ
    皮ふに常在するカビの代表の一つです。誰でも腸内にはこのカンジダが常在しますが、何らかの原因で増えすぎると、毒素(カンジダトキシン)を出して、アレルギー、アトピー性皮膚炎、便秘、下痢、ビタミン不足など多くの疾患や症状に関与すると言われています。皮ふに感染することは日常的にありますが、これは水虫に類似した症状です。
  • ピティロスポリウム
    皮ふに常在する油を好む真菌です。主に頭、顔面、背面などの脂漏性部位に多く存在し、健常成人の80%に認められます。年齢的には小児の皮ふから分離されることはまれで、皮脂分泌が盛んになる思春期以降に多く認められます。思春期から青年期にかけてのアトピー性皮膚炎の悪化因子といわれており、成人型アトピー性皮膚炎では特異的IgE陽性率が真菌で最も高いと言われています。しかし、 Malassezia sympodialisの1菌種のみに対する反応を見ていますので、検査では下にあるマラセチア(属)を調べる方がよいと思います。
  • トリコフィトン
    白癬(水虫,タムシ等)の原因菌のひとつです。アトピー性皮膚炎におけるトリコフィトン特異的IgE抗体の陽性率は,ピティロスポリウム,カンジタと並んで高く,疾患重症度との関連も報告されています。また,トリコフィトン特異的IgE抗体陽性喘息患者において,抗真菌剤治療により症状が改善されたとの報告もあり,トコフィトンが喘息の原因となる可能性も示唆されています。
  • マラセチア(属)
    ピティロスポリウムと同様に、皮ふに常在する油を好む真菌です。主に頭、顔面、背面などの脂漏性部位に多く存在します。マラセチア(属)ではMalassezia sympodialis、Malassezia restricta、Malassezia globosaが含まれますので、マラセチアへのアレルギー反応を検査するならこちらの方が適当です。脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎の増悪因子として有名ですが、昨年汗の中にこのマラセチアの産生するタンパクが含まれており、このタンパクがアトピー性皮膚炎を悪化させる要因であるという報告が広島大学皮ふ科よりなされ話題になりました。 
  • 黄色ブドウ球菌A
  • 黄色ブドウ球菌B
    人間の皮ふには黄色ブドウ球菌が常在しています。特にアトピー性皮膚炎ではこの菌がより多く認められます。黄色ブドウ球菌から産生される毒素であるエンテロトキシンAとエンテロトキシンBに対する反応を調べます。アトピー性皮膚炎の患者さんでは、これらの毒素に対してアレルギーを起こし、症状を悪化させる方がいることが知られています。二つの毒素で交叉感作を起こすことはないとされていますので検査するなら両方とも行う方が望ましいです。

食餌性アレルゲン


  • 卵白
  • 卵黄
  • オボムコイド
    オボムコイドとは加熱しても安定している卵白のたんぱく質のひとつで、アレルギーに強く関与しているといわれています。卵白に陽性でもオボムコイドに陰性であれば、加熱した卵には反応しにくいと考えられています。

牛乳
  • ミルク
  • α-ラクトアルブミン
  • β-ラクトアルブミン
  • カゼイン
    ラクトアルブミンとカゼインは牛乳の乳清タンパク質に含まれます。タンパク質のうちのおよそ20%がラクトアルブミンで、残りの80%がカゼインです。β-ラクトアルブミンとカゼインの一部がアレルギーの原因として強く関与しているといわれています。母乳にはこれらのタンパク質は含まれていないため、粉ミルクのみでアレルギーが出る場合は、これらのタンパク質の関与が強く疑われます。このタンパク質をあらかじめ分解してあるものが、アレルギー用の粉ミルクです。ミルクは、これらのタンパク質を含めた全般的な成分に反応するかを検査する項目です。

  • チーズ
  • モールドチーズ
    「モールド(mold)」とは英語でカビを意味し、「モールドチーズ」はカビにより熟成させたチーズのことです。 「チーズ」はチェダーチーズを抗原とし、「モールドチーズ」は白カビと青カビのチーズを混ぜたものを抗原として使用するそうです。 チーズのアレルゲンチェックでは、チーズ中のたんぱく質だけでなく、カビ自体もアレルゲンになるため、「チーズ」だけでなく「モールドチーズ」も検査項目となっています。

魚介類
  • タラ
  • カニ
  • エビ
    カニやエビなど甲殻類は、お互いに交叉感作をすることがあり、片方に反応するともう片方にも反応することがあります。甲殻類の筋肉に含まれるトロポミオシンという物質が主な原因と考えられています。
  • マグロ
  • サケ
  • サバ
  • イカ
  • タコ
  • アジ
  • イワシ
    マグロ、サケ、サバ、イカ、タコ、アジ、イワシなどの魚介類はヒスチジンという物質を多く持っているため、、古くなるとヒスチジンがヒスタミンに変換されじんま疹を生じることがあります。これらはアレルギー機序によるじんま疹ではないため、血液検査を行っても陽性は示しません。中毒性のじんま疹と言うべきかと思います。ただし、ヒスタミンを多く含まれている物質を摂取することでとアレルギーでなくてもじんま疹や呼吸困難を起こすことが知られていますので注意が必要です。
  • ロブスター
  • カレイ
  • イクラ
  • タラコ
    魚卵の中でもイクラとタラコは即時型アレルギーの原因として有名です。イクラとタラコはお互いに交叉感作をすることがあり、片方に反応するともう片方にも反応することがあります。
  • アサリ
  • カキ(牡蠣)
  • ホタテ
    貝類がアレルギーの原因として起こりうることはあまりないようです。

穀物
  • 小麦
  • ライ麦
    イネ科の栽培植物。パンとしての利用のほかに、種子は醸造用としてウイスキー(ライ・ウイスキーなど)やウォッカの原料になります。
  • 大麦
    イネ科の穀物。中央アジア原産で、世界でもっとも古くから栽培されていた作物の一つ。麦茶、ウイスキー、ビールの原料になります。パンにはなりにくいようです。

  • オート麦
    ビスケットに使用されます。オートミールを水や牛乳などで炊いたポリッジは代表的朝食用シリアルです。またビールやウィスキーの材料としても使われます。グルテンがないため、パンには向きません。

  • トウモロコシ

  • 小麦や米などの穀物類では陽性反応が出てもなにも症状がない人が多いです。血液検査が陽性でも、食べて何も問題がない場合は参考程度にとどめておく必要があると思います。
  • ソバ
    アナフィラキシーショックを生じることで有名です。陽性の場合は避ける方が賢明です。
  • キビ
  • アワ
  • ヒエ
  • グルテン
    小麦、大麦、ライ麦などの穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種です。小麦粉などグルテン前駆体を持つ穀物粉に水を加えるとグルテンを生成できます。パンやうどんなどに含まれます。グルテンに伴う症状としては、アレルギー以外にもグルテン不耐症があります。グルテン不耐症ではグルテンを摂取するとお腹の張りや下痢を生じます。
  • ω-5グリアジン
    グルテンの中に含まれる成分です。小麦による食物依存性運動誘発アナフィラキシーの責任アレルゲンの1つとして同定されました。通常の即時型小麦アレルギーにおいても、臨床的特異度が優れています。

※一般的に小麦にアレルギーがあると考えられるときには、小麦、グルテン、ω-5グリアジンの検査を行うことが推奨されます。


豆類、ナッツ
  • エンドウ
  • ピーナッツ
    陽性反応がかなり強いと実際に食べたときにほぼ100%で症状が出ているとされています。 血液検査で陽性を示したときは、摂取しない方がよいと思います。
  • 大豆
  • インゲン
  • ハシバミ
  • ブラジルナッツ
  • アーモンド
  • ココナッツ
  • クルミ
  • カシューナッツ
  • カカオ

果物、野菜
  • オレンジ
  • イチゴ
  • リンゴ
  • キウイ
  • メロン
  • マンゴー
  • バナナ
  • カカオ
  • 洋ナシ
  • モモ
  • アボガド
  • グレープフルーツ
  • トマト
  • ニンジン
  • ジャガイモ
  • ニンニク
  • タマネギ
  • セロリ
  • パセリ
  • タケノコ
  • サツマイモ
  • ホウレンソウ
  • カボチャ
  • ヤマイモ
  • スイカ

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