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西風新都のこころ皮ふ科クリニックです。皮ふ科一般の治療と皮ふ外科、レーザー治療を行っています。

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〒731-3168
広島市安佐南区伴南1-5-18-8-303

トレチノインクリームtretinoin

トレチノインクリームとは?

トレチノイン酸(オールトランスレチノイン酸)とはビタミンA(レチノール)の誘導体で、生理活性はビタミンAの約50-100倍であり、ビタミンA類の体内での生理活性の本体そのものです。このトレチノイン(レチノイン酸)は、誰でも血液中にごく微量流れているものですから、アレルギー反応を起こすことはありません。
トレチノイン(レチノイン酸)は米国ではしわ・にきびの治療医薬品として、FDAに認可されており、非常に多くの患者さんに皮膚の若返り薬として使用されています。
日本でも自己調剤で使用されてきましたが、刺激が強く外用後に強いかぶれを起こすことが問題でした。しかし、シクロデキストリンという環状オリゴ糖で包接したシクロデキストリン包接トレチノイン(CDトレチノイン)が開発され、従来のかぶれやかさかさを抑制することが可能になりました。
当院ではこのCDトレチノインを含有したトレチノインクリームを自己調剤し、シミやしわの治療を行っています。

トレチノインクリームで治療した実際の症例

平成26年3月にトレチノインクリームとハイドロキノンクリームで治療を開始しました。



両頬部に茶褐色斑が認められます。




7月の写真です。両頬部の色素斑はかなり薄くなっています。特に、左頬部の円形の色素斑はほぼ消失しています。患者さんの了承を得て掲示させて頂きました。

別の患者さんです。
平成26年8月からトレチノインクリームとハイドロキノンクリームを外用しました。



10月の写真です。外用して2ヶ月です。
軽度の赤みがありますが、シミは薄くなっています。この段階でトレチノインクリームは終了し、ハイドロキノンクリームのみ継続中です。この程度の赤みは覚悟して頂く必要があります。

誰にも同じような効果があるとは限りませんので、その点はご了承ください。

トレチノインクリームの効果について

表皮の細胞は表皮の一番深い層(基底層といいます)で生まれてから、徐々に表面に押し上げられてきて、やがて角質となり、最後はアカとなって皮膚からはがれていきます。この表皮の細胞のサイクルを皮膚のターンオーバーと呼び、約4週間かかることが知られています。  



大多数のシミは、表皮の一番深い層(基底層)周辺にメラニン色素が沈着しています。この層にはメラノサイトと呼ばれるメラニンを作る細胞があります。通常市販されている美白剤にはメラノサイトがメラニン色素を作る量を減らす有効成分が含まれてはいますが、その作用が非常に弱く現在沈着しているメラニン色素を外に出すような作用はないため、すでに存在しているシミはなかなかよくなりません。  トレチノインには表皮の深い層にあるメラニン色素を外に出す働きがあります。トレチノインを外用すると、表皮の細胞は活発に増殖して押し上げられていきます。そのときにメラニン色素も一緒に上がっていき、2〜4週間でメラニン色素が外に排出されます。
また、トレチノインを長期間外用すると表皮、真皮を厚くする作用があり、ヒアルロン酸やコラーゲン産生を促進し、真皮血管の新生により肌の若返りも果たすため、小じわの治療にも使用されます。
これらの効果を利用して、ピーリングの代用療法として用いることもあります。また、高濃度の外用剤ではニキビへの効果も期待できます。
ただし、妊娠中の方、授乳中の方、妊娠予定の方は外用できません。

トレチノインクリームの使い方

  1. 1日2回連日でシミや小じわに外用します。ハイドロキノンを併用するときは同時に外用します。
  2. 使い始めてから数日-2週間前後でカサカサや赤みが生じてきます。この期間はシミを漂白している時期ですが、一番辛いときです。その後は皮ふが順応し徐々に反応が軽くなっていきます。程度によって、外用回数を減らしたり、隔日で外用してもらいます。(個人差があります。体質によっては強い赤みが生じることがあり、その時は中止してもらいます。)
  3. 次の2〜8週間で徐々に炎症が冷めていきます。シミも少しずつ薄くなっていきます。ハイドロキノンの外用を積極的に併用していただく方がよい時期です。 皮ふの赤みはこの時期に完全になくなることが多いですが、体質によっては外用中には赤みが残る方がおられます
  4. 外用して2週間で再診していただきます。 その後も変化があれば再診していただきます。
  5. 治療中は必ず遮光してください。日焼けをすると赤みがとれず、そのまま残ることがあります。
  6. 小じわの治療を希望されるときには、半年以上続ける必要があります。
  7. 効果が認められた後も、外用剤を継続していただいて結構です。一旦中止して再開しても効きが悪くなることはありません。

  トレチノインクリーム外用前            外用4日目
外用したところに赤みが認められます。

当院ではCDトレチノインの濃度により、
  • 0.05%トレチノインクリーム
  • 0.1%トレチノインクリーム
  • 0.2%トレチノインクリーム(常備を開始しました!)
を用意しています。

初めて使用される方は、まず0.1%トレチノインクリーム1g(スタート用)から開始して頂き、皮ふの反応を見て5g製剤を購入されることをお勧めします。


トレチノインクリームの料金

トレチノインクリームの処方のみの目的で受診されたときは、別途初診料が2,000円あるいは再診料が1,000円必要です。
令和元年10月から消費税率の変更に伴い料金を改変しました。

0.1%トレチノインクリーム 1g(スタート用) 500 円
0.05%トレチノインクリーム 5g 1,650 円
0.1%トレチノインクリーム 5g 1,950 円
0.2%トレチノインクリーム 5g 2,850 円



Q&A よくある質問

治療期間は?

通常は1-3ヶ月です。肝斑ではもっと長くなります。小じわの改善のためには半年以上の外用が必要です。

誰でも使えますか?

妊娠中の方、授乳中の方、妊娠予定の方は使用できません。トレチノインクリームの反応が強い方の使用もお勧めできません。

レーザー治療とどちらがよいですか?

早い効果を求めるなら、レーザーの方が適当です。レーザーではシミの原因になるメラニンに直接作用してメラニンの多い皮ふを除去しますので効果は非常に早いです。
ですので、そこまでは考えておられない方にお勧めできる治療です。即効性はありませんが、自宅で可能でありゆっくりとした効果は期待できます。

レーザー治療ができない肝斑(かんぱん)や炎症後の色素沈着に対しても、トレチノインクリームは使用できますので、症例を限ればレーザー治療よりも適当なことがあります。

レーザー治療と併用できますか??

基本的に同時では行いません。ハイドロキノンはレーザー治療に必ず併用していただきますが、トレチノインクリームは赤みが生じるため、レーザーの反応が強くなる可能性があります。レーザー治療が一旦終了した後でトレチノインクリームを開始することは可能です。

ハイドロキノンと併用できますか?

基本的にハイドロキノンと併用していただきます。

トレチノインクリームですでに作られているメラニンの排出を促進し、ハイドロキノンで新たなメラニンの産生を抑制することが治療の柱となります。

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